第4章 魔女と人間
『違うか? 赤井秀一』
あまりもあっさりと本名を口に出され
赤井はこの一瞬
時が止まったかのように思えた。
これも魔女の力なのか
それとも、組織の力を使って得た情報なのか
アイリッシュは組織の人間・・・いや、魔女だ
赤井の頭の中では想定される未来がいくつも浮び再生される。
どれも良いものではない。
だが、彼女はどの未来も選ぶことはないと
無意識のうちに確信している。
「知っていたのか」
『あぁ、知っていた。出会った時から』
赤井に聞こえないほどの声で
顔を視れば分かるさ名前と生年月日くらいはな・・・
と小さく呟くアイリッシュ
「ふっ。さすが、組織の魔女だな」
本名を明かされたのに
冷静に
しかも、鼻で笑っている赤井になんだか拍子抜けしたのはアイリッシュの方だった。
てっきり、本名を知られたことを明かすと
殺 しにかかってくるのではないかとも考えていたからだ。
やはり
コイツは
赤井秀一という男は
おもしろいほど変な男だ
『そうだな、私は不老不死の魔女様だ!!!』
勢いよく2人を隔てていたドアが開いた。
アイリッシュが開けたのだ。
どこか吹っ切れたような表情をしている。
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魔女と人間 ④魔女の正体
編集をしたら長くなったので2部構成にします・・・。