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とある組織の黒い魔女 【名探偵コナン】

第4章   魔女と人間




『ライ、私は風呂に入りたい』
アイリッシュは突然言い出した。

『それなりにお前が拭いてくれたみたいだが、やはり風呂に入りたい』
血の臭いがするからと自身の腕や髪に鼻を近づけ眉をひそめるアイリッシュ


「あぁ、それなら・・・」
とライは素直に浴室へと案内してしまう。
そして、ふと考えるのだった。
壊滅させるべき組織の女なのにも関わらず、なぜこうも警戒心を解いてしまっているのか・・・と


脱衣所の扉を開けて明かりをつけた。
アイリッシュのことだ、どうせそのうち入りたがるだろうと考えて
ライが前以てお湯を張っておいた浴室からは湯気が漏れている。


「好きに使・・・・っ!?」
女性が使うような洒落た物はないが、普通に体を洗うには事足りるだろうと何気なく振り返ったライ

目の前には既に布一枚と纏っていないアイリッシュ。
つまり、裸のアイリッシュが立っていた。

『準備が良いな。気の利く男はモテるぞ』

既にお湯の張られた湯船を見て満足げなアイリッシュは
自身の裸を前にして目を丸くしているライを
一切、気にも留めずスタスタと浴室へと入って行く。
さすがのライもひとりの男としてこの状況はよろしくない。
早々に立ち去ろうとするがあっさりとアイリッシュによって阻止される


『おい、ライ。このシャワーの使い方がわからない』
裸のまま堂々となんの恥じらいもなくライを呼び止める


「・・・。」

『どうした?お前はここの住人だろ?使い方くらい・・・』
何も言わないライを不思議に思って言いかけたアイリッシュはニヤリと笑った。
どうやらこの状況を
ライの心理を察したらしい。


『お前も男だろう?女の裸くらい見たことあるだろう?もしかしてあれか?童 貞ボウヤか?』
そう言いながら、ライの腕を掴み自分の方へ引き寄せると遊女が男を誘うように腰を近づける。
ライは顔を背けできるだけ目を合わせないようにしている。
その顔は誰にも見せられない、そもそも見せたことがない表情になっていた。


『ふふっ。仏教面のつまらない男だと思っていたが、そうではないらしいな。とりあえず、このシャワーの使い方を教えてくれ』
アイリッシュは辛うじて見えたライの赤く染まった顔を見て嬉しそうに言うとスッと体を離し、何事もなかったかのように先程と同じ問いを繰り返した。

ーーーーーー続く
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