第4章 魔女と人間
ん?ここはどこだ?
とても温かい・・・・
そして
心地良い。
ゆっくりと瞼を開けると見覚えのない天井があった。
「アイリッシュ・・・?」
この声の主は・・・ライ
そうだ、思い出した。
あのまま寝てしまったのか・・・・
重い体を起こし、今回の任務のことを頭の中で振り返りながら
周りを見渡す
部屋全体はまだ暗い
時間にして2時間程度しか経っていないようだ。
「起きたか?」
『あぁ・・・』
私を運んだ男が声をかけてきた。
「アイリッシュ、お前は本当に魔女だったんだな」
カランと氷とグラスがぶつかる響く
どうやらライは何かを飲んでいるようだ
この香りはバーボン・・・
『だから言っただろう?私は魔女だと』
ベッドから立ち上がり、背伸びをする
痛みはない
傷口は全て再生しているようだ。
「あぁ、そうだな。あと、アイリッシュお前のその体の事にも驚いた」
『・・・・・便利だろう?普通の人間だったら完全に死んでいるからな』
さっきは通常だったら致命傷になるであろう場所に
2発ほど銃弾を浴びた。
覚えている限りでは、心臓に1発と首の腹部の動脈に1発だ。
「痛みはないのか?」
『痛いさ。しかし、長く生きていれば慣れるものだ』
自分の腕をみる。
何度も傷付き、傷付けられた腕なのに
傷跡ひとつなく、絹のように滑らかな肌の腕
「アイリッシュ、組織でこの事を知っているのは誰だ?」
『知っているやつは知っているし。知らないやつは知らないさ』
喉が渇いていた私はライに近付き
その手にあったグラスを奪った。
そして、一気に飲み干す。
『ライ、それを聞いてどうする?知っているやつを殺 すか?知らないやつに教えるか?』
カラになったグラスをゆらゆら揺らしながらライに問いかけた。
「どちらもしないさ」
お互いを探るような視線が交差する。
しかし、どこか楽しげだった。
私もライも
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魔女と人間 ②不老不死