第3章 魔女と銃弾
街外れの外灯の元
対峙したアイリッシュと取引相手のボスらしき男
男は「女か」と完全に勝利を確信した表情をしていた。
「まさか、女をよこしてくるとはな。どうだ、こちらに来ないか?お前、顔も体も悪くない・・・こちらに来れば良い思いをさせてやるよ」
男の視線がアイリッシュに向けられる。
上から下、下から上へと舐めまわすような厭らしい視線だ。
『ははっ、笑わせるな。お前のような下衆野郎はは好みじゃない。冗談はその下品な顔だけにしろ』
アイリッシュの言葉に男の顔が真っ赤に染まっていく。
「このクソアマがっ!!!」
次の瞬間
男の大きな拳がアイリッシュの頬へ叩き込まれた。
あまりの勢いと衝撃にアイリッシュはフラリとよろめいた。
その光景をスコープ越しに視ていたライの眉間にシワが刻まれる。
『やはり下品な男だな』
殴られた衝撃でアイリッシュは口元から鮮血が流れていた。
しかし、強気な姿勢は相変わらずだ。
さらに、男を挑発するように続ける。
『生ぬるい拳だな。反吐がでる。しかし、一発は一発だ』
そう言い放つと、素早い動きで男に殴りかかった。
バキッ
あまりの速さに動くことができず男はアイリッシュの一撃をまともに受けてしまう。
「---ッ。殺 せ!!!今すぐ殺 せ!!!」
男は目を見開き声にならない声を発した後、周りに潜んでいた部下へと荒ぶるように叫んだ。
一斉に銃口がアイリッシュへと向けられる。
それでも、アイリッシュはどこか楽しげな表情をしていた。
数え切れないほどの銃声が鳴り響く。
倒れる男の部下たち
一時の静寂
銃を構えたまま怪しく微笑むアイリッシュ
その体には無数の穴が開いていた。
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魔女と銃弾 ④ 魔女の挑発