第2章 SS
◆パーシヴァル/バレンタイン
「この贈答品の数、流石はパーシヴァル様です」「おい、それは皮肉か」半分以上は男からだと、げんなりした様子でパーシヴァル様は語る。まぁ毎年食べてるのは私なんだけど。「じゃあ、いただきますね」と呟いてまず一粒。包みを剥いて放り込むと口いっぱいに幸せな甘さが広がる。なかなかの逸品だと浮かれていると、唇に感じるパーシヴァル様の熱。チョコレートの余韻も僅かに漏れた喘ぎさえも。丁寧に丁寧に舐め取って彼は言った。「毎年チョコを用意しない不敬な家臣から、どうやってチョコを貰おうか……今年は少し策を講じてみた」赤い瞳を細めて愉しそうに笑う。「ふっ、どうやらチョコも悪くないな」