第2章 SS
◆ロベリア
「ようやく目覚めたかい、マシェリ」
私は私だ。当たり前のことだ。
昨日のご飯も明日の予定も覚えている。
しかしどうだ。私は彼に作られたと彼は言う。饒舌に、誇らしげに高揚して言う。
私は私だ。そんなのどうしたって間違えようがない。では私はどうやってこの場所に来た?いつの間に手足を椅子に縛られていた?
私は私だ。だからきっと今ごろ団長や仲間がいなくなった私を探してくれてる。大丈夫だ。
ガチガチと震えの止まらない唇に、ロベリアは優しく口付ける。
「やっとキミの音が聞けるんだね」
上気した頬、蕩けた瞳。何故そんな幸せそうに人を殺せるのか私にはわからない。
「いやあああああ!やめろ!嫌だぎャあアアッあああ、助け…うあああ!!!!」