第3章 未熟乙女【土方(武州)】
葉っぱが紅く染まる季節になった
赤とんぼが戯れる
野道を総悟と散歩していると
「あっ、道場に忘れ物しちゃった」
総悟「じゃ、また明日なー。」
総悟は背を向け、帰った
「気をつけて帰ってねー」
総悟とその場で別れて、道場へ向かった
.
「……あれって、」
縁側で土方とミツバが並んで座っていた
珍しい組み合わせだ
声をかけようかと思ったが、
しんみりとして声を掛けれる状況ではないと判断した
息を殺して木の影に潜む
ミツバ「十四郎さん……」
土方「……」
ミツバ「あなたが、好き……なの…」
告白シーンに鉢合わせてしまった
最悪なことを聞いてしまった
ミツバは土方のことが好き……?
土方はミツバのことをどう思ってるのか
「むり……耐えられない……っ」
聞こえない声で呟き
土方の答えを聞かずに道場から出た