第1章 イルミ様ペットを飼う
初めて聞いた声は予想よりも可愛くもう一度聞きたかったがリリィはそれ以降何度声をかけてみても話してはくれずぬいぐるみで顔を隠してしまった。
リリィの分の夕飯を連絡して出来るまであと少しという所で仕様書に書いてた、自分の耐性をリリィに移しておいた。
傷を作った時嫌がると思ったが何をするのか理解しているのか抵抗なくさせてくれた。これでリリィが家のご飯を食べても倒れたり間違っても死んだりすることは無いだろう。
夕飯が出来たと連絡があり食堂へ向かい他の家族にも紹介する。
「俺はシルバだお前の父親になる、今日からお前は家族になる。よろしく頼む。」
「儂はゼノ。ジジイじゃよ。」
「私はキキョウですわ。リリィちゃんのお母さんになる人よ♪」
「弟のミルキだよ。姉さんが出来て嬉しいなぁ。」
「…(汗)」(ワタワタ
「まぁ…一気には飲み込めないよね…。」
取り敢えず自己紹介を終えて食事をすることにした、父さんたちには後でリリィの仕様書のコピーを全部渡しておくことにする。
「リリィ、まだナイフとフォーク使えないんだよね?食べさせてあげるからね。」
「…♪」(コクコクモグモグ
無事食事も終わり部屋に戻るとリリィに執事とメイドが決まったのでその説明をすることにした。
リリィの専属執事は3人メイドは5人いる。
「いい?こいつ等はリリィの執事とメイド。なんでもお願いを叶えてくれるよ。カードとボードとペンをあげるからそれで、お願いを書いて見せてやってね?」(ナデナデ
イラスト付きのカードには執事達の顔がついていて渡す誰が何をするか分かるようになっている。簡単なことはこれで済む。
「……」(コクリ
「練習してみよっか?試しになにかお願いしてご覧?」
リリィにカードを色々見せていくと、リリィはお菓子のカードを指さした。
「お菓子が食べたいの?」
「?」(フルフル
お菓子が食べたい訳じゃないけどカードが気になったのかな?
するとリリィはボードに
『おかしつてなんてすか?』
と書いた。練習したばかりで小文字やら濁点やらは上手く出来てないけどまぁ分かる。お菓子がなんなのかわからなくて気になったみたいだ。
「おかしってのはね食べ物だよ。食べたばかりだけど少しだけ食べてみようか」
カードを執事に見せると直ぐに持ってくると言って部屋から出ていった。あとは待つだけだ