第1章 イルミ様ペットを飼う
某ペットショップ イルミside
カランカラン
自分が中に入ると店員に迎えられた
「お待ちしておりましたイルミ=ゾルディック様。植物人形の方は洗浄を済ましご予約通りドレスルームにて待機させております。」
「そ、じゃぁ案内してくれる?」
「畏まりました。」
さっさと用事を済ませて帰ろうとドレスルームへといく、中に入ると下着姿の銀髪の植物人形が小さめの椅子に座っていた。ほんの少しだけ驚いた、植物人形は恥ずかしそうにする訳でもなく扉が開いた音に反応して振り返った、赤い目と自分の黒い目がぱっちりとあった。こてんと首をかしげた植物人形は可愛く思えた。
「…へぇ。叫んだりしないんだね。」
「この植物人形は他のよりひときわ大人しく、叫んだり騒いだりはしないようです。では、お召し換えをお楽しみください。」
そう言うと男は扉の向こうへと消えた。
近くまで行くと椅子に座ったまま自分を見上げる植物人形に声をかけてみた。
「今日から俺がお前の主人だよ」
「…」
植物人形は無反応で目も合わせなくなった。どうやら伝わってないらしい。
そういえば買う時に注意事項に店の首輪を付けてるうちは店の者以外の話を聞かないように躾られてるから、着替える時に外すようにと書いていたことを思い出した。さっき自分を見上げたのは店員か見定めたんだろう。違うとわかると命令道理に話すら聞かない、勝手に懐いてついて行かないようにする為だろう。
「ほんとに聞かないんだ…。じゃぁ、これでいいかな。」
たまたま目に付いたピンクの革リボンを手に取り、店の首輪を外し付けてやると目をまた合わせた。
「…♪」
「俺はイルミ、今日からお前の主人だから。」
手を伸ばし撫でてやると植物人形は嬉しそうに目を細めた。