第1章 イルミ様ペットを飼う
とんだ勘違いだ、俺がリリィを置いていくわけないのにそんなゲームキャラとやらに似ているという理由でリリィは傷ついたのだ。ミルキは後で叱っておかねばいけない。リリィの涙を拭いながらそっと離れて話をする。
「そんな事しないよ俺はリリィが大好きだから置いてかないよ。ほら、お土産沢山買ってきたよ?」
「オミアゲ…?」(グスッ
買ってきたものをどんどん部屋に運んでもらう。沢山のぬいぐるみ、お菓子、洋服…全て包装されているそれらをリリィはびっくりして見つめている。いつの間にか涙もとまりポカンとしてる。
「コレハ…?」
「お土産だよ。全部リリィのだよ開けてご覧?」(クスクス
コロコロ変わる表情が可愛い。リリィはお土産の前まで行くと1つとずつ包装紙を開けては嬉しそうに微笑み横に置いていく、それを執事が所定の位置に飾ってゆく。
全部開け終え片付けが済むと執事達は食事の準備とサーバーのセットの為引き上げた。
お土産1つの猫のぬいぐるみを抱きしめてリリィは俺の方を見ると、傍まで来たのでそっと抱き上げて柔らかなソファに一緒に腰掛けた。
「それ気に入った?」(ナデナデ
「…♪」(ニヘ
ご機嫌そうに撫でられているリリィを見るとリラックスしてるのがわかった。
「そう言えばまだカタコトだけど随分おしゃべりしてくれるんだね...少しはここ安心できそう?」
「ココ...コワクナイ。ヘイキ」(コクリ
「リリィに怖いことをする人は皆俺たち家族がやっつけてあげるからね。何時でもいうんだよ?」
「ホント?」
「家族だからね」(ナデナデ
家族、そうリリィは家族だ。この家に迎えられた以上血の繋がりなどなくとも誰がなんと言おうとも家族なのだ。
これから先リリィにはこの世で生きていけるだけの知恵と力をつけてもらわなくては行けない。暗殺はやらせないと今はなっているが跡継ぎが出てくればそれも変わるかもしれない。そうなってからだと集中して育成は難しくなる。跡継ぎが産まれる前までには念能力の取得までは行きたいものだ。
リリィ=ゾルディックとして不遜など無い様に……。
「さ、リリィおやつでも食べようか。」
「オカシ…!」(パァア
お菓子を与えてる時のリリィの顔が好きだ。まるで甘い砂糖菓子のように溶けてしまいそうな笑顔。俺はリリィが傷つかないように守るのも助けるのも俺だけでいい…。