第2章 聞こえた《声》
桃「えっ?!あ、あのね…!」
リンゴみたいに真っ赤になっております。
すると、テツくんがさっちゃんの前に出た。
黒「実は一緒に帰るつもりだったんですが、僕が忘れ物をしてしまって…。」
「じゃ、二人で仲良く帰ってね♪」
ここは邪魔しない方がいいよね。
私はそう言って征ちゃん達を引っ張った。
紫「え?せっかくだし一緒に帰ろ~。」
赤「…敦、空気を読め。」
むっくんはどこまでも純粋というか…。
征ちゃんが止めなかったら多分一緒に帰ってた。
黒「あの、一緒に帰りませんか?…いいですよね、桃井さん。」
桃「えっ。う、うん。テツくんがいいなら(涙)」
テツくん、空気を読んでよ。
さっちゃんがすごく可哀想なんだけど。
青「おい、どういう事だよ…。」
大ちゃんが呟いた言葉に、同感。
…付き合ってなかったの?
「ちぇっ。せっかくバスケ部でカップル出来る思ったのに…!」
黄「ならなら!俺と付き合って欲しいッス!!」
わんこみたいに目をキラキラさせて言わないで!
元々かっこいいんだから惚れちゃうよっ。
赤「…涼太?」
青「…言うじゃねぇか、黄瀬。」
涼ちゃんが余計な事言うから…。
征ちゃんと大ちゃんの目が光ってる!
「でも、なんで二人が怒るの…?」
緑「桃井、この鈍感バカをどうにかしてくれ。」
むっ!真ちゃんにバカって言われた!!
いいもんっ。どうせバカだもんね~!
「涼ちゃんといたら楽しそうだけどね(笑)」
黄「やった!じゃあ付き合ってくれるッスよね!」
むぎゅっと抱きついて来るのは勘弁。
身長差ありすぎて勝手悪いもん!
青「黄瀬テメェ…!」
赤「弥生が汚れるからやめろ、涼太。」
一瞬で今度は征ちゃんの腕の中へ。
ふわっと征ちゃんの香りがして、恥ずかしい。
「征ちゃん、なんか慣れないから離してっ。」
赤「そのうち慣れさせてやる。」
恥ずかしいので遠慮します、征ちゃん。
涼ちゃんは涙目だし、面倒な事になったな。
桃「…もしかして弥生ってモテモテ?」
紫「んー、俺も弥生ちん好き。
お菓子くれるから~。」
黒「それは何か違うと思います…。」