第2章 聞こえた《声》
気づけば、もう別れ道。
もうバイバイしなきゃいけないのかな。
・・・また明日も会えるのはわかってるけど。
青「何でさりげなく帰ろうとしてんだ。」
「え?な、何が・・・?」
ギクッ。こっそりと帰ろうとしてたのにっ。
紫「何か奢るって言った~。」
緑「そのまま帰るつもりか?」
みんな記憶力がよろしいようで・・・。
もう忘れてるかと思ってたのに。
「明日、絶対奢るから!購買部でも何でも!」
黄「絶対ッスよ~?」
「うんっ。バイバイ、みんな!!」
手を振ってみんなと別れた。
明日はお金たくさん必要かなぁ・・・。
でも楽しそうだからいっか(笑)
「ただいま~!お母さん、いる?」
シーン。まだ帰って来てないの?
自分の部屋で音楽でも聞いとこうかな。
征ちゃんイヤホンをっと。
「これが無いとやっぱりダメなんだよね♪」
ながれてくる音楽。
最近はいつも同じ曲を聞いてる。
『・・・る?・・・・。』
「え?なんの音・・・?」
突然聞こえてきたノイズ混じりの声。
かすれてうまく聞こえない・・・。
『弥生・・・弥生!』
「私の事、呼んでるの?」
『・・・聞こえる・・・?・・・』
どう考えても、私に話しかけてる。
嘘!なんで?・・・なんか怖い。
でも答えないわけにはいかないし・・・。
「聞こえる、聞こえるよっ。」
『・・良かっ・・た。・・あの・・ね。』
私の声に答えてくれた!
いったい誰?どうしてこんなことが?
『あなた、にお願い・・あるの。』
どんどんノイズがなくなっていく。
イヤホンを付けていれば、ちゃんと聞こえる声。
それにしても、お願いって何?
『全部、聞いてくれる?』
「ん。私に出来る事なら、するよ。」
なんだか聞いてると安心する声だなぁ。
ちょっと怖いけど、大丈夫だよね?
『明日、テツくんの・・・。』
「テツくんの?」
『練習付き合ってあげて・・・?』