第4章 七色の夏
桃「みんな~!!ビーチバレーしようよ♪」
「今そっち行く~!!」
乱反射する夏の日射しに目を細める。
その奥でゆらゆら揺れる、さっちゃん。
ビーチボールを持っていた。
「えっと、グーとパーで別れましょ!!」
黄「やったッス!!同じチームッスね♪」
私のチームは。
涼ちゃん・むっくん・真ちゃん。
さっちゃんのチームは。
征ちゃん・大ちゃん・テツくん。
青「黄瀬、テメェに当ててやる!!」
黄「なんか怖いッスよ、青峰っち!!」
…うん、なんだろうこれは。
なんでビーチボール以外の物が翔んでるの?
「スイカは食べる物です!!投げちゃいけません!!」
赤「涼太、いい加減にしろ。」
ひゅっと涼ちゃんの頬を掠める刃物。
……ハサミだぁぁぁぁぁ!!!!!!!
「それの方が投げちゃいけないよ!!」
黒「青峰くん、僕を投げようとしないで下さい。」
桃「テツくん~~!!!!!」
ビーチバレーがわかっているのか、おい。
人を投げるスポーツじゃないし!!
さっちゃんも目をハートにしない!!
「…はぁ、みんなバカなの?」
『たまにはいいじゃない。…目に焼き付けなよ。』
最後だけ、なんだかしんみりしてる。
悲しそうな声だった。