第2章 聞こえた《声》
さて、話してるうちにほとんど終わったな。
もともと私が引き受けたんだし。
これ以上は悪いかな。
「おかげでだいたい終わったし、後は私がやるからいいよ。」
黄「ダメッス!一番の力仕事残ってるッス!」
青「じゃあ俺がするからとりあえず黄瀬は帰れ。」
黄「なんで?!酷いッスよ~、青峰っち!」
面白いなぁ、相変わらず。このコンビ。
私がみんなを好きな理由のひとつ。
だから、私は笑えるんだよ。
紫「俺達がするから休んでて~。」
緑「一番働いたのはお前だからな。」
…私、たいして動いてないよ?
みんながしてくれたから。
赤「人の好意は素直に受けとれ、弥生。」
はい、征ちゃん。命令ですかっ。
…でもなんだかんだ言って、本当は。
私のこと心配してくれてるんだよね。
嬉しいよ、みんな。
青「重っ。今度テツにやらせる…!」
「それは可哀想だよ、テツくんが。」
…優しいトコも好き。
口ではそう言っても、結局一緒にしてるし。
でも本当に重そうだな、あのゴミ箱。
黄「おっわりー!!ふぅ…。」
「みんな大丈夫?!本当にごめん。あと、ありがと!」
にっこり笑うみんなにキュンとする。
頼りになるなぁ、バスケ部のみんなって。
もちろん、さっちゃんとテツくんもね。
緑「これくらいどうってことないのだよ。」
赤「それに俺達が言いだしたことだしな。」
「ん。…大好き…。」
誰にも聞こえないように小さく呟いた。
大好きで表せないくらい、好き。
黄「みんなで途中まで帰ろ♪」
青「ガキじゃあるめぇしよ…。」
「いいじゃん!私、お礼になんか奢る!」
大ちゃんの背中を強引に押す。
征ちゃんも真ちゃんもついてくる。
なんか楽しいなぁ、こういうの…。
紫「あれー?黒ちんにさっちんだぁ。」
桃「え、みんな?!」
なんでさっちゃんがまだ帰ってないの?!