第2章 聞こえた《声》
「えぇぇ?!なんで今さら…。」
桃「お願い!今日だけでいいのっ。掃除当番代わってぇっ。」
祈りのポーズで私に頼んでくる、さっちゃん。
私より身長高いくせにわざわざ上目使い。
まあ、可愛いから許しちゃうけど!
「良いけど、ちゃんと朝とかに言ってよねぇ。
もう放課後じゃんっ。」
桃「ごめん、本当にごめん!」
「何かあるの?」
すぐに頬を赤く染めた。…そうか。
さっちゃんが頬を染める相手はただ一人!
「テツくんと一緒に帰るとか…?」
桃「ななな、何言ってるのよぉぉ!そんなわけっ」
図星だな、こりゃ。そんなに好きなの?
頭から湯気出てるし…。
「はいはい、なら早く行ってらっしゃい。」
桃「違うって言ってるでしょぉぉ////」
そう言いながらも小走りで行ってしまった。
乙女だなぁ。…ま、いっか。
掃除当番をしっかりしなくちゃねっ。
黄「見事にフラれちゃったッスね♪」
紫「さっちん真っ赤~。」
「って、聞いてたの?!二人共!」
いつの間にか隣に涼ちゃんとむっくん。
むっくんはいつものようにお菓子を食べてる。
「別に、フラれてなんかないし!それを言うなら大くんのほうだしっ。」
黄「それもそうッスね。」
さっちゃん、大くんと帰らなくていいのかな。
大くんが怒ったらたぶん怖い。
さっちゃんはテツくん一筋で偉いけど。
青「だから、そんな仲じゃねぇって!」
紫「あー、峰ちんだー。」
「いたの?!」
不愉快そうな顔して、こっちに来る。
…寝起きだな、こいつ。
青「さつきとテツはお似合いだと思うがな。」
「ん、同感。テツくん鈍いからなぁ。」
黄「まず気づかないッスね。」
うんうんと首を縦に振る私達。
あ、そういえば何でみんないるの?
「何でこんなに揃ってんの?」
黄「掃除当番、手伝おうと思って♪」
確かに涼ちゃんの手には箒とちりとり。
へぇ、涼ちゃんでも気が利くんだ。
本日初の大発見。見た目はチャラいのに。
黄「酷くないッスか?!声に出てるッス!」
「あー、ごめんごめん。テヘペロッ♪」
赤「なら俺達も手伝おう。」
その声に振り向くと…?!