第3章 6つの笑顔
そしてまた朝が来た。
昨日はテツくんに大ちゃんの気持ちが聞けた。
イヤホンの声の子は、私にこれを望んだのかな。
『…今日は…涼ちゃん。昨日の事で凹んでるみたいだよ?』
「昨日って…。何かあったっけ?」
イヤホンから聞こえるため息。
昨日の事なんて覚えてるわけないもん!
なんか悪い事したっけ…。
緑「おはよう、弥生。」
「おはよう!真ちゃん♪今日のラッキーアイテムは?」
緑「バッチリなのだよ。」
真ちゃんの左手には赤いだるま。
今日は小さい物で良かったぁ。
黒「おはようございます。…弥生さん。」
「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?!」
緑「うるさいのだよ!」
だってびっくりしたんだもん…!
急に現れるテツくんにはいつもびっくりする。
黒「その、黄瀬くんが…朝からいじけてて。励ましてもらえませんか?」
「あの涼ちゃんが?…うわ、確かに。」
涼ちゃんからキノコ生えてる!
どよんってしてるし、なんか怖い!
とてもモデルとは思えない…。
「り、涼ちゃん…?どうかした…?」
黄「…どうせ俺は弥生っちにとっていらない存在なんスよね…。ハハ…。」
「怖い怖い怖い怖い!」
目が死んでる!真っ暗な涼ちゃんは怖い!
しかも私がらみみたいだし…。
青「ったく、朝からじめじめすんじゃねぇよ。」
「近寄れない!なんか怖すぎるし…。」
青「けど、あれはお前のせいだぞ?」
「え?私…何かした?」
青「覚えてねぇのかよ!!」
大ちゃんが呆れながら昨日の事を話してくれる。
…私、いつの間にか『涼ちゃんなんて知らない』って言ってたの?!
「やっぱり私が慰めなきゃダメ…?」
緑「…当たり前なのだよ。」
じめじめすぎてやだなぁ…。う…!
でも、元は私のせいだし。
「…後でじゃダメ?」
青「……部活前までに頼むぜ。」
いつ行こう…。