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大好きな君に、小さな勇気を。【黒バス】

第3章 6つの笑顔


聞き間違いだよね?
大ちゃんがテツくんの事、見捨てるなんて。
…強くなったらテツくんはいらないの?

青「…そんな顔すんな。ってか、勘違いすんじゃねぇよ。」

「え?強くなったらテツくんはいらないって事じゃないの?」

青「んなわけねぇだろ…!」

真剣な瞳で言う大ちゃん。
じゃあ、どういう意味なのよ!

青「影としての、テツはいらねぇ。」

「影としての…?」

青「俺が…完璧な光になったら…。」

私を見て、にっこりと笑った。
いつまでも変わらないような笑顔。

青「仲間としての、テツが必要なんだよ。」

「…?どういう意味…?」

何か違いがあるのかな。影と仲間…。
あまり変わらないような気もするけど。
大ちゃんはくしゃっと私の頭を撫でた。

青「いつかテツにも、パスだけじゃなくて…。」

暗闇の中じゃ、影は出来ない。
光があると、影は出来る。当たり前の事。

青「テツだけの光を見つけて欲しい。そしたら、同じ光同士。…仲間だろ!」

「大ちゃん…。…そだね。影じゃないテツくんか。」

やっと、大ちゃんの想いがわかった気がする。
…テツくん。大ちゃんはやっぱり大ちゃんでした。

青「今でも仲間だけどさ。…もっとこう…。」

「自分だけの光…スタイルで戦って欲しい?」

青「そんな感じ。」

くすっと笑いあう私達。
いつかテツくんだけのスタイルが見たいな。
パスだけもいいけど…新しいスタイルを。

「いつか見れるかな。…新しい黒子のバスケ。」

青「だな。」

テツくんに言ってあげたらいいのに。
そう言うと、バカヤローって怒られた。
…照れくさいんだ。

「ありがとう、大ちゃん。送ってくれて!」

青「いつでも言えよ、んな事ぐらい。」

「うん!バイバイ…!」

遠くなっていく後ろ姿。
また、イヤホンから声が聞こえる。

『大ちゃんとテツくん、いいコンビだよね。』

「ねぇ、私を見てるの?」

『いつでも…見てるよ。ほら、早くしないとお母さんが心配するよ!』

はいはい、分かってます。



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