第3章 6つの笑顔
そのままテツくんと別れ、校門を出た。
もう暗くなって…いや真っ暗だよ。
嘘、灯りほとんどないじゃん!
「やだ、なんか怖い…。」
テツくんはまだ練習するって言ってたから、
邪魔しちゃ悪いよね。
私だって一人で帰れるもん!
黄「…う~ら~め~し~や~…!」
「いぃぃやぁぁぁぁ!!!!!!!」
黄「…ぎゃ?!ちょっと、俺ッスよ!」
「え…涼ちゃん…?脅かさないでよぉ!」
なんだ、オバケかと思った!
「ホントに、怖かったんだからぁぁ…。」
黄「何で泣くんスか…!ご、ごめんッス。」
「涼ちゃんのバカぁぁ、ぐすっ。」
暗闇とオバケだけはダメ。
昔から怖かったし…。涼ちゃんのバカ!
青「何泣かせてんだよ、黄瀬!」
「うわーん!涼ちゃんがいじめるぅ!!」
黄「青峰っち、誤解ッス!」
私は大ちゃんに抱きついた。
身長差ありすぎだけど、まあいいや。
青「よしよし。弥生、俺と帰るぞ。」
「うん!…涼ちゃんなんて知らないもん!」
黄「ガーン!」
本気で怒ったんだからね、もう!
謝っても許してあげない!
青「送ってく。怖いんだろ?」
「ありがとう、大ちゃん。…大ちゃんは、テツくん好き?」
青「当たり前だろ!相棒だしな…!」
爽やかに笑った。可愛いな、大ちゃん。
二人は意気ぴったりだもんね。
「…もし、大ちゃんが誰より強くなっても…テツくんの隣にいる?」
青「テツと話してたのはその事かよ…。」
「う。…ねぇ、どうなの?」
見てたんだ。なんか恥ずかしいんだけど。
歩みを止めて私を見る。
青「…そうなったら、影のテツなんていらねぇよ。」