第12章 一つの曲に題名を。
「うーん…どうでしょうか…お兄ちゃんは好き勝手にやってますし…こうやって私も好きに振り付け考えれますから」
ヘラっと笑って散らかしていた振り付けの資料を纏める。すると突然横からぬっと腕が伸びてきて一つの束を掴む。
「これ…この振り付けの良いな!!」
月永先輩はそう言いながら目をキラキラさせる。
そして「あぁ!霊感!!」と言いながら私の隣にうずくまってメモに音符を書き始めた。
「できた…!!ほら!これ良いだろ!?この振り付け見たとき何かピン!って来たんだ!!」
そう言いながら私にそのメモを見せてきた。
何となく、それを受け取って口ずさんでさっきの振り付けを当てはめてみる。
「~♪~♪」
そしてサビのところで剣を取る仕草をしてそこで気がついた。
「Checkmate Knights…」
「お?それをこの曲の題名か??良いな!!」
「ふぅん、なかなか良い振りなんじゃない?てかあんた楽譜読めたんだねぇ?」
「あ、いや、お兄ちゃんがお兄ちゃんですから…いつの間にか読めるようになってました…」
振り付けに"Checkmate Knights"と書いて月永先輩に渡す。
「!?、これ、くれるのか?」
「はい。曲は月永先輩が作りましたし…せっかくですから。…あ、でも…約束してくれませんか」