第8章 魔王って聞くと音楽で習ったやつ思い出すよね…
「にしても、渉とこいつ、全然にてねぇなぁ?」
私を撫でながらそんなことを呟く黒髪さん。
「えぇ、血は繋がってませんからね…誉は両親共に海外に出張されてますからね」
「へぇ…」と言いながらいまだに私を撫でる黒髪さん…そろそろ放してほしい…
「…誉、そろそろいいでしょう?」
すると、両手を広げるお兄ちゃん。…どうやら来いということらしい。
まぁ、もう許してやろう(上から目線)と思い黒髪さんから離れてお兄ちゃんに近づく。
もちろん、当たり前のように抱きつかれる。不覚にもこっちの方が落ち着く。
「ちっ、やっぱりそっちのほうがいいか…」
「ふふ、私の方が長く一緒にいますからね☆」
一定のリズムでトントンと背中を叩いてくる。まるで子供をあやすようなそんな感じで。
「…お兄ちゃん…」
「おや?眠いですか?大丈夫ですよ?…最近、色々と予定をつめているでしょう?たまには寝ても」
優しく耳元で囁く。
「でも…」
「大丈夫です…ほら…」
すると、私の目に自分の手を覆い被せてきた。
あれ…これ端からみたらやばない?←
「帰るときには起こしますから…今だけでもゆっくり休んでください…」
その声を最後に私は意識を手放した。