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eternity―永遠―

第3章 ライバル(手塚&跡部)


長期休暇を利用してドイツから帰国した手塚は仲間達に会うためにU17の合宿所に向かった。

『久しぶりだな。みんな元気にしているだろうか』

普段、感情を読み取ることが難しい手塚の表情に微かな笑みが浮かぶ。久々の仲間とと再会が嬉しくてたまらないのか自然と早足になる。

「油断せずに行こう」
はやる気持ちを抑え、自分に言い聞かせるように呟く。

ボールを打ち合う音が聞こえてくる。合宿所はシャッフルマッチの真っ最中で、コートに近づく手塚に気がつく者はいない。少し淋しく思いながらも、邪魔にならないよう離れた所から観戦する。

そこに、ウォーミングアップを終えた跡部が現れた。跡部は手塚がいることに多少驚きを見せたが、周りに気づかれないように手塚をコートから少し離れた休憩スペースに連れ出した。

「何しに来やがった!」跡部が手塚を睨みつける。
「休暇を貰えたから、皆の顔を見に来た。皆、元気そうで安心した」手塚は表情を変えず淡々と話す。
「ドイツでプロになったんだろうな?」
「プロになるにはまだまだ鍛練が必要だ。そう簡単にはなれない」手塚が跡部の目を真剣に見つめる。
「だったら何で帰って来てやがる!俺達がどんな思いで手塚を送り出したかわかってんだろうなぁ!それぞれに覚悟を決めて送り出したんだ。プロになるまで帰ってくるんじゃねぇ!」跡部が声を荒らげる。
「俺の勝手な都合で合宿所を抜ける我儘を許してくれた皆の気持ちを、俺は考えきれてなかったと言うわけか。お前の気持ちは良くわかった。もうここには来ない」それだけ言うと手塚は跡部に背を向けて合宿所を後にした。
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