第2章 バレンタイン小説(跡部・彼女目線)
ビクビクしながら生徒会室に向かう。ドアをノックしてから恐る恐る開けると跡部君はすでに来ていた。
「跡部君、何の用?私何か失敗しちゃったかな?」跡部君の様子を伺う。
「失敗?思い当たることがあるなら聞いてやる」跡部君の言葉に私は首を横に振る。
「香住からのチョコ、ありがたくいただいたぜ。高貴な俺様にピッタリのチョコだったぜ。俺の為に作ってくれてありがとう」跡部君の言葉があまりに嬉しすぎて、どうしたらいいかわからず固まっていると跡部君に抱き締められた。
「俺に媚びたりせずに普通に話してくる女はお前くらいだ。不器用なのに一生懸命で、気がついたら目が離せなくなってた。お前の為に何かしてやりたいのに、お前は全然俺を頼ろうとしなかったから、お節介を焼いちまった。あんなに想いのこもったチョコを貰ったら我慢なんか出来るわけねぇよな」跡部君の手で頭を包み込まれたかと思ったら、跡部君の唇と私の唇が重なった。
夢を見ているみたいで信じられなくてボーっとしてたら「何かを期待してる顔だな、残念だが今日はここまでだ。ここから先は大人になったらな」そう言うと跡部君は私を見つめてウインクをした。
「え…そんな、期待なんかしてもん!跡部君のエッチ!」私は口を尖らせ頬を膨らませて抗議した。
「そんな可愛い顔すんじゃねーよ。今すぐ食べちまいたくなるだろーが。チョコの礼なら考えてある。しかるべき日まで期待して待ってな」跡部君は私を抱き締めたまま優しく頭を撫で、もう一度優しく唇を重ねた。