第10章 マネージャー争奪戦【跡部ルート】
並んで治療を受ける跡部と手塚。
幸いなことに跡部と手塚の肘は重症ではなく、しばらく無理をしなければ治ると診断された。
全員がほっと胸を撫で下ろした。
跡部「長野。優勝者無しだからお前の好きにしたらいい。俺に口出す権利はねぇ」
香住「急に優しい事を言うなんてずるいよ。私の初恋の相手は景吾なんだよ」
跡部「知ってたさ。なのに俺がアプローチしたら避けられてショックだったんだぜ」
香住「だって景吾も氷帝の幼稚舎に行くと思ってたのに別の所に行ったから。それが悲しくて辛くて、景吾の事を嫌いって思うようにしたの。そしたらいつのまにか本当に嫌いになってた」
乾「マインドコントロールだな」
跡部「俺だって長野と同じところに行きたかった。だけど親に勝手に決められて、まだガキだった俺は従うしかなかった。なんとか親を説得して氷帝に行ったら長野がいなくてビックリしたんだぜ」
香住「私達、何処かで歯車が狂っちゃったんだね」
乾「決勝戦の時、香住は先に跡部の名前を叫んだ。人間、本当に心配する人の名を先に呼ぶもの。香住が跡部を好きな確率100%」
乾を除く青学一同「えー!!」
全員の視線が香住に集まる。
香住「決勝戦観てたら昔の事とか色々思い出しちゃって、そしたら景吾の事を好きだった事を思い出したの。青学のみんなを振り回して巻き込んだのは景吾じゃなく私の方でした。手塚部長に怪我までさせてごめんなさい」
青学全員に向かって頭を下げる香住。
手塚「巻き込まれたなんて思ってない。この腕も俺が勝手に無理をしただけだ。気にするな」
手塚の言葉に頷く青学一同。