第3章 ライバル(手塚&跡部)
病院を後にした跡部は合宿所に向かうヘリの中でドイツチームに手塚の事を連絡して、自分の責任だと謝った。
合宿所に着いた跡部はコーチに手塚の事を報告し、仲間達に伝えて良いかを聞いた。
コーチ達は少し悩んだのち、今の手塚の状態を聞いたら動揺する選手もいるかもしれないが、手塚がしたことは素晴らしい事だから伝えていいと言われ、跡部は皆を呼び出して手塚の事を伝えた。
青学メンバーを中心に中学生だけではなく高校生にも動揺が広がったが、選手生命に影響が出ないだろうと聞くと安堵の表情に変わった。
翌日、跡部が病院に行くと手塚は意識を取り戻していた。
「担当の先生から聞いたんだが、お前が助けてくれたそうだな。ありがとう」跡部に気がついた手塚が起き上がろうとする。
「無理すんな。まだ寝てたほうがいい。俺はたいした事はしてねぇ。たまたま通りかかっただけだ。気にするんじゃねぇ。それより……悪かった。昨日は少し言い過ぎた。ドイツに行った手塚が予想以上に強くなってるように思えて焦っていたみたいだ。でも俺ももっと強くなってすぐに追い付く!だから、しっかり治せよ」跡部が手塚に向かって手を差し出す。
「あぁ。いつか対戦出来るのを楽しみにしている。今度は負けないからな。体力さえ戻ればすぐに練習再開していいと許可がでた」手塚は跡部の差し出した手を握り二人は固く握手をした。
「体に影響なさそうで安心したぜ。みんな心配してる。ドイツに戻る前に合宿所に顔だしてやってくれ」
跡部の言葉に手塚は大きく頷いた。
数日後、無事に退院した手塚は合宿所により仲間達に退院報告をしてから、再びドイツに旅立った。