第3章 ライバル(手塚&跡部)
病院に到着すると跡部は受付で手塚の事を問い合わせた。手塚はまだ検査が終わってないと連絡を貰ったので、検査結果が出たら知らせて欲しいと伝えてロビーで待つことにした。
暫く待っていると受付のスタッフに声をかけられて、手塚の検査が終わり主治医と話が出来ると伝えられた。
跡部は主治医が待つ部屋に向かった。
コン、コン
扉をノックすると中から「どうぞ」と男性の声が聞こえてきた。
「失礼します」跡部は扉を開けて中に入った。
「お掛けください」白衣を着た細身の男性に言われて跡部は椅子に腰掛けた。
「主治医の坂野です。手塚さんの事ですが、今のところ脳波にも体にも異状はありません。衰弱が激しいので暫くは絶対安静です。患者の体力を考えて必要最低限の検査のみをしました。残りの検査は後日する予定ですが、日常生活やテニスのプレイには影響は出ないと思います」医者検査結果を見ながら言う。
「完全に治るまで万全の体制で頼みます。手塚は俺の唯一無二のライバルなんです」跡部は椅子から立ち上がり深々と頭を下げた。
「頭を上げて下さい。万全の体制で治療に当たりますので御安心下さい。まだ意識は戻られてませんが面会していかれますか?病室に御案内致しますよ」医者が椅子から立ち上がる。
「いや、やめておきます。合宿所に報告に行ったり、ドイツチームに連絡を入れたりしないといけませんので。では後はよろしくお願いいたします」跡部は医者に頭を下げて部屋を出た。