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【黒子のバスケ】短編集

第13章 Re:Start【緑間真太郎】


突然の爆発に、外ではパニックが起こっているのか、建物内にたくさんの人が押し寄せて、あちこちから悲鳴も聞こえてくる。

人の波にもまれながら、保育棟を確認しようと何とか外の見える窓にたどり着いたけれど、まだ白煙が立ち昇っているせいで100mも離れていない保育棟を目視することができなかった。


保育園には内田さんが行っている。

何があったか今は分からないけど、とにかく内田さんの無事を確かめたくて緊急時に連絡をするために登録させてもらっていた私用のスマホに電話を入れた。


「おかけになった電話は……」


耳に届いた機械アナウンスにスマホの終話をタップして、直接保育園に行こうと、人の流れに逆らって建物の出口に向かった。


今は新設工事中だから病児保育棟に子供はいないけど、隣の園には今日も多くの子供たちが預けられており、保育士もいる。

とにかく全員が無事であることを確かめたくて保育棟に向かった。






保育棟に近づくと、火薬のようなにおいとさらに濃い白煙に視界が確保できない状態でこれ以上近づくことができない。

とりあえずその場からは離れずに、緊急時のマニュアルに沿って、課長に自分の無事を連絡するとすぐに既読になった。

課長は今日は午前中から本部会議で課内にはいないけど、ビル内にはいるから間違いなくこの事態はすでに把握してる。

内田さんからも連絡が来ていることを祈りながら一度オフィスに戻ろうとしたところで、緊急車両のサイレンの音が鳴り響いてだんだんと音がこちらに近づいてくるのが分かった。


高度救命センターに勤務していたころ、DMATとして災害現場に派遣されたこともあった。

恐らくこれは中規模事案に認定されて救急要請がすでに近隣の病院にかけられている。

一人でも多くの医師が必要とされる現場

だけど、院内すべての医師を出せるわけではない。
間違いなく現場の医師が不足する。




消防車が到着し、降りてきたのはハイパーレスキュー
救助はもちろんの事、爆発現場などでは危険度を判定、医師を入れるか入れないかの判断を下して、医療活動に危険が伴うことが無いようにしてくれる存在でもある。

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