• テキストサイズ

【黒子のバスケ】短編集

第13章 Re:Start【緑間真太郎】


あと数分で午前中勤務の時間が終わろうかというときに、内線電話を切った内田さんから声をかけられた。

「係長、息子がお昼私と食べるって言って何も食べてくれなくて困ってるみたいで…お茶ものんでくれないって…」

「行ってあげて。今日は金曜日だから息子さんも1週間頑張ったご褒美だね。それに今日暑いから、ちゃんと食事取らせないと。時間はいいから一緒に食べてきてあげて」

私たちは12時から1時間の休憩だけど、保育園は11時40分からお昼が始まる。

「すみません。早めに戻ります」

「時間はいいから。ちゃんと子供と内田さんがご飯を食べたら戻って」

「いつもありがとうございます」


自分のお弁当と水筒を持った内田さんがみんなに頭を下げてオフィスを出ていくけれど、咎める人間は一人もいない。

「すみません、行ってきます」

【いってらっしゃーい】

うちは部長がめちゃくちゃ厳しい人で、ハラスメントの類は即倫理委員会にかけるというのが方針
セクハラ、マタハラ、パワハラはもちろん、その他ハラスメントは一切許さないと常に公言している。

私が係長になったのは社の女性活躍推進の一環で、係長になったばかりのころにそれをよく思わない男性社員にチクチクと嫌味を言われていた。

「鎌田、その発言はハラスメントだ。今後同じような発言があったら、社内窓口に私が通報する。それに大河内は係長として適任だ」

その彼は、その後も女性役職の事を貶める発言をそこかしこで繰り返して、結局自主退職扱いの事実上の解雇となった。






内田さんがお昼に行って20分

すでにオフィスに残っているのは私だけで、ほかのみんなは12時になった瞬間、それぞれに昼食に出かけた。



あたしもそろそろなんか食べよっかな…

それにしても今日は見るからに暑そう

オフィスの中は空調がしっかり効いていて涼しいものの、外は見るからに温度が高そうで、外に出て昼食をとろうという気にはならない。

財布とスマホだけをもってエレベーターに乗り込んで、オフィスビルの1階にはいっている軽食も食べれるコーヒーショップに足を向けた。
/ 139ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp