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【黒子のバスケ】短編集

第1章 EMERGENCY 【青峰大輝】


「ダメだ!!!退避しろ!ここは任せろ!」

つばきの姿を見て近づこうとする俺に処理班のヤツが止めに入った。

「ふざけんな!あいつは俺の部下だ!!!危ねぇ目に遭ってんのが分かってて放っておけるわけねぇだろ!!!」

バスケができなくなったとはいえ、身長も体格も日本人としてはでかい俺が本気になりゃ振り切れねぇ相手なんてほぼいねぇ。
処理班の3人を振り切ってつばきの前までたどり着くと、今にも泣きそうな顔で俺を見てる。

「…退避しなきゃ…ダメじゃないですか…」

「お前残して行けるわけねぇだろ。解除まで残る」

好きな女がこんな状態で退避なんて冗談じゃねぇよ。

「仕組みは?」


「圧力センサーと平行センサーで、置いたりビー玉が穴に入れば即爆発。制限時間内の解除が唯一助かる方法だ」

「凍結は?」

「温度センサーが付いてる」

クソッ…
一番安全で簡単な方法なのにそれがダメなら爆発のリスクは確実に高まる
とにかくつばきに平行を保たせねぇとやべぇ

「今から一緒に持つから絶対ぇ動くなよ」

つばきの後ろに回ってつばきの外側から一緒に爆弾を持った

俺が一緒に持たなきゃ多分つばきは平行を保てなかった。
爆弾は大きさの割に重くて、何時間も持って立ってるなんて華奢なつばきじゃ無理だ



「室長…すみません」

「お前は悪くねぇ。ただ荷物を受け取っただけだ。爆弾以外の話しようぜ」

兎に角爆弾から気を逸らさせたかった。
さっきからずっとビー玉を見続けて神経も疲れ切ってるつばきを少しでもリラックスさせたかった

「そんなこと言われても無理です…」

「じゃあ俺から質問だ。今日帰ったらどんな予定だった?」

「えと…バレンタインだからチョコ買おうかなって」

「誰かいい奴いんの?」

前にチームで呑んだ時酔っぱらって、付き合ってる男に浮気されまくってんのに別れてもらえねぇって半泣きで言ってたけどそのあと別れられたって聞いて安心した。俺は前から好きだけど、今新しい男がいたら邪魔はできねぇ。

さつきはちょいちょい下のカフェに顔出すからそん時にたまたま通ったつばきのことが好きだって言ったら早く捕まえろって言われたけど歳は俺より6コも下だし、部下に手出すなんてさすがにヤベェ


あいつらの中で独身って俺だけだな…
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