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【黒子のバスケ】短編集

第8章 二人で 【火神 大我】


熱帯魚を飽きることなく見るつばきを後ろから抱きしめて、何度もキスをしながら緊張を紛らわせて、いつもよりも進むのが遅く感じる時計を見ながら時計が10時を指すのを待った



「これすげー綺麗。なんて種類か知ってんの?」

「ダイアモンドテトラだよ。きらっきらで本当にダイアモンドみたいだよね」

「だな」


意識をそらすために水槽内の魚の種類を聞いて気を紛らわせてると、やっと時間が来てドアのチャイムが鳴った。



「え、大我?なにか頼んだの?」

「デザート一緒に食うって約束だろ?」

「そうだけど…」


頼んであるなんて聞いてないとでも言いたげに俺を見るつばきをよそにドアを開けると、俺を見てベルボーイがすっげぇいい顔で笑って応援してくれてるように感じた。



「アクアリウムスイート限定のスイーツでございます。ごゆっくりお楽しみくださいませ」


約束のデザートは一緒に選んだ方が良かったのかもしれねぇけど、ホテルに頼んでつばきの好きなのを小さめにいくつか用意してもらって10時に運んでもらえるように頼んでた。

俺の緊張はもうピークだけどオーロラの色の皿に乗せられたスイーツにつばきは目を輝かせた


そしてテーブルにもう一つ置いてもらった



シェルを形どったベルベットのケース




つばきもその存在に気付いた


「何これ?なんか入ってるのかな?」

「開けてみ」

「うん」



箱を手に取ってクルクルと眺めた後、細い指で留め金を外して開いた瞬間…



「えっ……これ……これ…指輪……え…指輪だよ…」


すげーびっくりして俺と指輪を交互に見て、間違ってねぇのかって確かめてるようだった


「……結婚……してくれねぇか?俺と一緒にアメリカに来て欲しい。環境が変わって大変な思いをさせちまうのは分かってる…けど俺はつばきと結婚してぇ」

「……大我………」

「絶対ぇ幸せにする。大変な時は俺もちゃんと力になる。だから…俺のそばにいて欲しいんだ」

指輪を持ったままボロボロ泣いて首を縦に振ってくれるつばきの手からケースを取り上げて中身を取り出した。


顔を覆ってる両手から左の手を取って指輪をはめた


「俺と、結婚してくれ」



「するっ………結婚するっ!大我と一緒にアメリカに行く!」
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