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【黒子のバスケ】短編集

第8章 二人で 【火神 大我】


「大我って高校の時から絶対諦めないよね。そういうとこホントすごい。尊敬しちゃう。あたしねー、大我は絶対試合に出れるって思うんだー!だってあたしが知ってる人の中で一番上手だもん!…ってあたし全然バスケ選手詳しくないけど!大我のほかに知ってるのは青峰君だけ」

青峰を知ってんのに俺が一番うまいとか…
そんな訳ねぇのにつばきにそう言われると事実と違っても嬉しかったしそうなりてぇって思えた

ちびちびと酒を呑みながらニコニコと天真爛漫に話すつばきが可愛くて、好きで、無性に焦れた


同窓会がお開きになって二次会に行かずに一人で帰ろうとするつばきを引き留めて家まで送らせてほしいって言うとすんなりOKしてくれた


家まで歩きてぇって言うつばきと一緒に喧騒の中を通り抜けて静かな道で抑えきれなかった気持ちを伝えた

「俺さ、高校んときからずっとつばきが好きだった」

「……え⁉……嘘っ……なんで⁉…」

俺の言葉が唐突だったのか予想外だったのかつばきはすげぇ驚いて俺を見上げて目をぱちくりさせてた


「いや、何でって言われても分かんねぇけど……とにかく今も好きなんだよ‼」

「あの……びっくりしすぎたからちょっと休憩で。一気に酔いさめた……え、びっくり」


少しは気づいてんだと思ってたけど全く気付いてなかったらしく何度もびっくりっつってた


休憩とは言ったものの休むような場所もねぇからそのまま歩き続けて、とうとう沈黙に耐えられなくなって俺から話しかけた


「俺が、あっちで選手としてちゃんと結果出せるようになったら、付き合ってくれねぇか?」

「……それって、どれくらいかかるの?」

「分からねぇ。けど来季は絶対ぇアクティブになるから」

「どうして今すぐはダメなの?」


どうしてって……

だってこんな何も結果が出てねぇ男嫌だろ
それに、俺が結果を出すまでの期間にゆっくり考えて、俺を男としてみてくれるのかそうじゃねぇのか決めて欲しいって事でもあった

「今すぐ返事しろなんて言える訳ねぇだろ⁉ちゃんと考えて返事くれりゃいいから‼」

「あたし今日からがいいっ‼今日から大我と付き合うのがいい!」


今度は俺がびっくりだ…
何でそんなデカい声で言うんだよ
すげー嬉しいけど誰かに聞かれてたらマジでハズイ
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