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【黒子のバスケ】短編集

第8章 二人で 【火神 大我】


当然一緒に過ごせるのが一番嬉しいけど、無理させてまでそうしてぇって事じゃねぇし、一緒に過ごしてぇって思ってくれてるだけでもめちゃくちゃ嬉しかった

それに俺ががっかりしたりつまんなそうにしたらつばきは余計に落ち込むって分かってる


だからせめていつも通りに送り出したくて本心を隠したけど落ち込んでるつばきには逆効果だったのかもしれねぇな…


「つばき?」

「なに…?」

「俺も一緒にいたかった。けどいつも俺の方がたくさん我慢させて寂しい思いもさせてる。日本で待つばっかにさせちまうって分かっててもお前を離せなかったのは俺の方だろ?」


高校の時に知り合ってずっと好きだった。
なんでも一生懸命でいつも明るくて、席が近いこともあってよく話して、IHやらWCのことを話すといつも笑顔で応援してくれて会場にもきてくれた


NBAを目指して渡米してからもつばき以外を好きにはなれなくて、だけど思いを伝えることもできなかった


渡米して4年でブルズと契約に漕ぎつけたけど、すぐに試合に出れるわけじゃねぇから俺は全然無名だった
日本ではそれなりに契約のことは報道されたらしいけど即アクティブになった青峰のことがデカく報じられて俺のはおまけ程度だった


アクティブになって試合に出るまではシーズンオフでも帰国するつもりはなかったけど黒子から同窓会があるからって連絡をもらって3日間だけ帰国することを決めた


行ったらもしかしたらつばきに会えるかもしれねぇって期待があった

高校の時みてぇにつばきに頑張ってって言って欲しかった



同窓会の日程に合わせて帰国して黒子と一緒に店に向かうと懐かしい顔がたくさんいてその中につばきもいた


高校の時と同じ笑顔で笑って友達と話してて相変わらず可愛かったけど、少し大人になってて綺麗だった


同窓会中も少し話せて、俺の状況を聞かれたから正直に答えた

ロースターにはなれたけどアクティブじゃねぇから試合には出れねぇこと

同じレベルの奴なんていくらでもいて自分の今の立ち位置を守ることで精いっぱいなこと

青峰に1on1でまだ一度も勝ててねぇこと


ダサいことばっかだった

それなのにつばきは俺を応援してくれた
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