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【黒子のバスケ】短編集

第6章 フライトプラン【黄瀬涼太】


「バッジ持ってるんスか」

「持ってるよ。昼間は仕事だったから」

「見たいッス」

見たことはあった。

赤司っちの奥さんも弁護士さんだから赤司っちのお家に遊びに行って奥さんが仕事から戻った時にスーツに付いてて見せてもらった


「別にいいけど…見たって全然面白くもないでしょ」

そういって彼女がバッグから取り出したそれは金色に輝いていて天秤が彫り込まれていた


面白いとか面白くないじゃなくてこれを持てるってことが純粋にすごいことだって思ってた


「頭いいんすね」

「それを言うならパイロットの方がすごいでしょ。他人の命預かって、飛ぶ理論すら証明されてない鉄の塊を自由に動かしていろんな国に行かれるんだから。……っはぁー‼‼あたしもどっか飛んでっちゃおっかなー。仕事もないし」

「行きたい国あるんスか?」

「エジプト」


これまたすごいとこきた。

エジプトって言う人初めてだな…
大体ヨーロッパとかビーチリゾートをあげる人が多いからエジプトっていうのは初


「じゃあ、俺が国際線の機長になったら連れて行ってあげるッス」

「なにそれ。あと何年かかるのよ」


「そーだなー…早くても7.8年はかかっちゃうっすね。40なる前に機長になれれば優秀っすから」


機長になれるのは大体40前後
今までで社内で一番早く機長になった人は38歳だって言ってたから俺はそれを更新したくて頑張ってる最中

青峰っちとか火神っちが引退するころ俺はやっと一人前になれるって感じ


「ふーん。今いくつなの?」

「今日で29っす。だから37歳での最年少機長狙って今は修行中なんス」

「今日って…今日誕生日?」

「そっすよ」

「お誕生日に集まってくれたお友達ほったらかしてアバズレ女と話してたら時間もったいないですよ」


アバズレって…自分で言っちゃうんだ
なんか結構闇深そう


だけどこのおねぇさんが笑ったらどんな顔するんだろうってそっちの方が興味ある



「てか、なんで急に敬語?」

「年上だったからその方がいいかと思いまして」

「えっ⁉今いくつ⁉」

「今日で27」


今日でってことは……

「えっ⁉今日誕生日⁉」

「そう。最低な27歳の幕開け」


そりゃ、やさぐれたくもなるっすよね

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