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【黒子のバスケ】短編集

第1章 EMERGENCY 【青峰大輝】


嘘だろ…

他の奴らは全員出てるけどつばきがまだ署内にいる。

あいつの事だ、分析結果をいち早く届けるために質量分析計の手入れを後回しにして報告してくれたからその手入れをしてて遅くなったんだ

なら分析室か?

いや、あかりは消えててつばきのコートも無かった

どこだ?


とにかくつばきの所在を知るために電話をかけるけど電源が入ってなくて繋がらねぇ。

部下ほったらかして退避なんてできるかよ…
ましてや、好きな女だ。
このまま俺だけ退避なんてできねぇ。

降りかけた階段で方向を変えて分析室で合流出来ることを祈りながら階段を3段飛ばして駆け登る。

すれ違う奴らはみんな退避の為降りていくのに逆方向に向う俺を見てぎょっとしてる。


5階までたどり着いてあと少しのところで1課の課長に捕まっちまってすげぇガタイで物凄い力で押さえ込まれた

「おい!退避だ!!何やってるんだ!?」

「部下が残ってんだ!離せ!!」

「無理だ!署が吹き飛ぶかもしれないんだぞ!!」

嫌な予感は的中した。
チームの1人がこれまでの一連の爆破はテストで最終目的は別にあり尚且つ動機は怨恨。
そして自分は警察には捕まらないという自信からかなり近くまで接近してくる可能性が高い事をプロファイルで言い当てていた。


「なら尚更退避できねぇ。離せ」

「…爆弾を受け取ったのはお前のとこの分析官だ。ロビーで今処理班が対応に当たってる」

「何でつばきが!」

「配達員に荷物を渡されてそれを受け取ったそうだ。恐らくそいつは変装した犯人で黒須が持つのを見て起爆スイッチを入れた」


署内に届く荷物は基本受付のヤツが受け取るはずなのにたまたま外してて帰る為に近くを通ったつばきに手渡して去っていったらしい


くっそ!!

もっと早くオフィスに戻ってりゃこんな事起きなかった。

課長と一緒に大急ぎでロビーに降りると顔面蒼白で恐怖に耐えながら必死で箱を持ってるつばきが目に入った。


「退避してください!!今すぐ建物から出て離れろ!」

「退避だ!退避!!」

爆発物処理班が署内に残る人間に大声で叫んで次々と人が押し出されていく
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