第1章 EMERGENCY 【青峰大輝】
つばきの分析結果に基づいてここまで各個人が精査した内容と照らし合わせる為にチームを集める
「会議だ。全員集まれ」
俺の声に全員が手を止めて会議デスクに集まった
「つばきからだ」
「はい。全ての破片を分析し直した結果破片の一部と外側の箱から極微量の過酸化ベンゾイルが検出されています」
「それがどーしたの??別に珍しくないじゃん??」
「私も最初は爆弾を作る時の威力増大の為に入れたのかと思ったんですけど…あまりに少なすぎる。恐らく犯人は尋常性痤瘡、簡単にいえばニキビの治療を受けていると思われます」
「はあ??どういう意味だ」
爆薬とニキビって関係ねぇだろ
「過酸化ベンゾイルは尋常性痤瘡の治療の薬にも含まれているものがあり、それらは全て医師の処方によるものです。成分分析の結果最近認可されて1か月前流通が始まったばかりの新薬の成分と一致している為、突破口になり得るはずです」
「けど、ニキビ治療なんてすっごい人数だよね??黒にゃんこだってこの間ニキビ1つで大騒ぎして皮膚科行ってたじゃん??」
確かにそうだ。言われなきゃ分かんねぇ程小せぇ赤いぽつをトイレに行った時見つけたらしく半べそかいて病院行くから外出許可をくれって頼まれたから許可してやった。
「過酸化ベンゾイルは効果の高い薬ですが、投与も慎重にされる薬なので最近治療を始めた患者ではなく既に年単位で継続的に治療に通い、尚且つ1ヶ月以内に診察を受け相当の症状のある人物。理工学の知識があり、外の箱から検出された皮脂の成分バランスから恐らく30代後半から40代のアジア人男性」
「その年代なら俺のプロファイリングとも一致してる」
会議で全員のを聞いてまとめて精査して確度の高いプロファイリングを作り上げて捜査に役立てる
「全員よくやった。これで少なからず進展するはずだ。今日はもう帰っていい」
結果から導き出された犯人像と動機、どこから捜査するべきなのかを纏めて1課に持って行って俺も帰る為に荷物を取りにオフィスに入った瞬間非常警報が鳴り響いた
【ビーッビーッ!!!緊急事態発生、全員即時退避、全員即時退避】
何事だ?
取り敢えず出ねぇとマズイな。
警報が鳴り響く中、部下の帰宅を確かめるためスマホを開いてアプリにアクセスしながら階段を駆け下りた