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【黒子のバスケ】短編集

第6章 フライトプラン【黄瀬涼太】





結局お店の人がそれはできないって断って新しいのを飲み始めたけどあの強い酒を顔色一つ変えずに飲んで窓の外を見ながら遠い目をしてた



綺麗な顔なのに…寂し気で

なんとなく気になってちらちら見てたら赤司っちにバレた



「そんなに気になるなら声をかければいいだろう」

確かに気になる。
だけどナンパなんてされたことはあってもしたことはない


「いやっ…気になってないッス」

「取り逃がしたらもう会えねぇかもしれねぇぜ。酒ぶっかけてでもきっかけ作れよ」


自分たちがそういう知り合い方だったからって…

青峰っちは奥さんと知り合ったのは緑間っちの結婚式で奥さんにかかりそうになったコーヒーから助けたのがきっかけだった。

その時にたまたま青峰っちのタキシードが汚れてクリーニングが遅れたから仕事で日本とアメリカを行き来する奥さんにそれを持ってきてほしいって頼んだところから始まった


「そりゃそうっすけど……綺麗だけど怖そうだし…」

「そうか?俺には泣きそうに見えるけどな…」

「俺も火神と同意見なのだよ」

「確かに。あれは絶対泣きそうな顔だよ」


そーなんスか?
なんかみんなすげぇ適当な気がするんスけど……


「なにー黄瀬ちんナンパすんのー?」

「黄瀬君って集まってくる女性の対応はうまいのに自分からいくの下手ですよね(笑)」


黒子っちにまで笑われた……
これでも俺一応モテた部類なんスよ!?
今だってCAのみんなからデートの誘いいっぱいあるし…


「そんなことないッスー。俺だって決めるときは決めるっすよ」

「じゃあ行けよ。今決めて来い。ビビッときたんだろ?」

「無駄ですよ青峰君。黄瀬君はチキンですから」

「黄瀬ちん……黄瀬チキン(笑)」

「黄瀬チキンか…まずそうなのだよ…」

「そうか?俺はチキンならうまそうだと思うぜ?」

「今ひよ子になったきーちゃん想像しちゃったー(笑)」

「ひよこの黄瀬か…いいんじゃないか?航空会社のマスコットにでもすれば集客効果が見込めそうだ。チキンにもなれないひよこの黄瀬……悪くない」



この人たち……俺の友達じゃないんスか⁉
なんでそんな根性なしのビビりみたいに言われなきゃいけないんスか⁉


「行く‼‼行くッスよ‼‼行けばいいんでしょ‼‼‼」


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