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【黒子のバスケ】短編集

第14章 Pledge【青峰大輝】


「戻りました。お風呂からも海が見えて夕日がすごく綺麗でした」


風呂から戻った大河内は、いつもなら聞いたことだけに短く答えることが多いのに、めちゃくちゃ柔らかい表情で風呂が良かったって教えてくれた。

「なんか飲むか?」

風呂上がりだからだろうけど、少し頬も赤くて2時間以上入ってたから、いつも聞いてもらうことを聞いた。

「はい。私が淹れますから、青峰さんは休んでください」

資料の散らばるテーブルをちらっと見た大河内が、部屋に用意された飲み物のところに行ってアイスペールを取り出した。

「冷たいのとあったかいの、どっちにしますか?」

「せんせーは?同じのにする」

「冷たいの飲みたいです」

大河内は気遣ってくれるけど、自分の意見も言ってくれる。
どっちでもいい、任せるとかじゃなくて、こうしたいってことをちゃんと言ってくれて、けどわがままを押し通そうとする訳じゃなくて、居心地がいいって言葉以外何もねぇくらいだ。

「氷頼むか」

「この階アイスボックスあるので取りに行きます」

「じゃあ、俺も場所知りてぇから行く」

「はい。一緒にいきましょう」

そんなに何度も行かねぇだろうけど、大河内をあんまり一人で出歩かせたくなくて、半分ホントで半分は嘘の理由で一緒に部屋を出た。


「お部屋の飲み物みましたか?」

「あ、見てねぇ」

「戻ったら一緒に選びませんか?色んな種類がありました」

「あぁ」

昔、木村が大河内を癒しだって言ってた時、馬鹿なやつだと思ってた。
けど、今は完全に全面同意する。

雰囲気、所作、空気感、喋り方、表情、声
全てに癒される。



「ありがとな」

「え……?何がですか?」

「着いてきてくれて」


いきなり遠距離の泊まりに誘って、それだけでどう考えても普通じゃねぇのに着いてきてくれて、捜査にも協力してくれて

そして、いつもより話してくれんのがすげぇ嬉しい。

「こちらこそ、連れてきてくれてありがとうございます」


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