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【黒子のバスケ】短編集

第14章 Pledge【青峰大輝】


「風呂どうする?」

「……大浴場にいきたいです」

「俺は部屋で済ますけど、ゆっくり入ってくりゃいいから」

「ありがとうございます」


ホテルに戻って夕飯までは3時間。
先に風呂を済ませて、明日の聞き込みのルートをまとめておきたかった。

多分食ってからじゃ寝ちまう。


「行ってきます。青峰さんも少し休んでください」



風呂の用意を整えた大河内が部屋を出て静かになると、これからの流れを組み立てた。


好きな女の風呂上がりは目の毒だ。極力見ねぇ。
風呂上がりなんてめちゃくちゃいい匂いがするから、できるだけ近づかねぇ。
どっちの部屋で寝てぇかは大河内に選ばせる。
寝てくれさえすりゃ俺は多分大丈夫だ。

とりあえず3時間ある。
大河内も俺とずっといて疲れてるだろうからそんなにすぐは戻らねぇはずだ。

この3時間は俺が冷静を保つための貴重なブレイクタイム。







とりあえず、大河内が戻る前に風呂に入って明日の聞き込みの目星をつけ始めた。

あんまり離れすぎても意味がねぇし、近すぎれば旅館の人間に見られる可能性がある。
適度な距離で人が捕まりそうなポイントを絞って短時間で聞けるだけ聞く。

パソコンで周辺のことを調べながら、スマホの地図アプリにポイントのマークを付けていく。


可能性が低いにしろ、容疑者からは外せねぇ。
外堀から徐々に固めて、白なのか黒なのかを慎重に見極める必要がある。
変な主観を排除して、聞き込みで得た事実だけを報告して犯人を特定する材料にする。



大河内が戻る前にやっておかねぇと、邪念が出てきちまったら集中出来なくなる。


仕事を口実に付き合わせてんだから、仕事はきっちりこなさねぇとただの色ボケだ。


これが本当に連続殺人だと仮定すると、3人目を実行に移すまでバレなかった奴だ。
もしこの女が犯人なら相当慎重に行動してるはずだ。


人目の多いところは避ける
自家用車もレンタカーも飛行機も使わねぇ
駅はできるだけ小さい駅を使う
タクシーは個人タクシーを自分で呼ぶ

全て憶測でしかねぇけど、これは計画的に殺人を犯すやつなら誰しもが考える事だ。



明日聞き込みに回る場所を絞り込んでパソコンを閉じると、オートロックの解除される音が聞こえた。








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