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【黒子のバスケ】短編集

第14章 Pledge【青峰大輝】


湿度が高くてムシムシする海岸沿いを歩いて、コンビニに入ると店内は冷えすぎなほど冷えてる。

アイスのケースから迷うことなくいつものを取ると、大河内は腕を擦りながら端からアイスをゆっくり見てる。



もしかして、アイスの気分じゃなかったのに無理に付き合わせたか?


「食いたいのねぇ?」

「迷ってます。せっかく遠出させてもらったので……淡路限定のもいいなって」

すげー可愛い。
ほぼ無理矢理付き合わせたのに、ここに来たことをそんな風に思ってくれることが嬉しかった

「どれ迷ってんの?」

「イチジクかパッションフルーツのシャーベットで迷ってます」

「どっちも買って、今食わねぇのは部屋の冷凍庫入れればいい」

「そんな贅沢していいんですかね?」

「せっかく遠出したんだからいいだろ」

数百円のアイス二つで贅沢って言う大河内が少し笑ってて、結局いつものスイカも買って、俺はソーダ、大河内は迷った挙句パッションフルーツのを開けた。


「聞き込みしますか?」

「そうだな。ここ最近で娘を見た人間がいねぇかと、あの旅館の元シェフでふぐの内蔵の管理を任されてた人間にアポが取れてるから話聞くことになってる」

「私にできることはありますか?」

「旅館の人間にはまだ捜査してることは気づかれたくねぇから、館内はできるだけ一緒にいて貰えたら助かる」

実際そうだけど、俺が一緒にいてぇってのもある。

さっき咄嗟に呼ばれた「あなた」ってやつ
名前で呼ばれるよりもいい意味で衝撃だった。

「わかりました。人がいる時の設定をちゃんと考えておきたいです」

「さっきと同じ感じで頼む。仲居ってのは来た客をどんな関係か内輪で話すらしいからもうそのまま行くしかねぇ」

まさか夫婦の設定で内偵になるとは思わなかったけど、さっきの呼び方でまた呼んでくれんなら悪くねぇ。

「結婚何年にします?」

「相手を名前で呼ばなくなる長さだと……新婚はねぇな」

「ですね。じゃあ7年でどうですか?」

「そうだな」


二人でアイス食って旅館に戻る道すがら設定を決めた。


結婚7年
今回は結婚記念日の旅行
海外に行く予定だったけどパスポートが切れてることに気づいたのが昨日で、急遽ここにしたって事にした。


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