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【黒子のバスケ】短編集

第14章 Pledge【青峰大輝】


そんなやり取りから1週間、またいつもの通りに意味のないノックをして青峰刑事がきた。

「アイス食っていい?」

「どうぞ。今日はどうしたんですか?」

「せんせー、ふぐ好き?」

彼はたまに唐突で、意味が分からなくて、遠慮がない。
でもなんだかそれがすごく心地いい。

「好きですよ」

「淡路島行かね?」

「……誰と……ですか?」

「俺と」

なんでそうなるの?
淡路島まで行くなら泊まりに決まってる。
日帰りなんてできる距離じゃない。

「え、……なんで?いつから?」

敬語でしか話したことのなかった相手に突拍子もない事を言われると敬語を忘れてしまう。

男性と距離を縮めることが無いように、離婚後はずっとそうしてきたのに…
びっくりし過ぎて敬語が出てこなかった。

「明日から。上がった容疑者の女の実家が淡路で旅館やっててふぐ扱ってるらしい」

え?それにあたしを誘う?旅行じゃなくて捜査じゃん。
部外者連れて行くってそれ内規違反じゃないの?
しかもめちゃくちゃ急。

「あの…なんで私なの?」

「俺がそこでふぐ食って死にそうになったら助けてくれんじゃねーかと思ってな」

何言ってるのこの人…
デタラメだし意味わかんない。

「テトロドトキシンに解毒薬無いんですけど…」

「は?マジ?」

「ありません。しかも捜査で行くならふぐ以外の料理でもいいじゃないですか」

「言われてみりゃそうか」

青峰刑事は勘も鋭くていろんな事件を担当して解決に導いてるし、洞察力も優れてるって木村さんから聞いてる。

え?
それほんと?
今の彼ってめちゃくちゃなことを普通に言ってて全然優秀に見えない。

でも全然嫌だって思ってない自分がいることの方が驚いてる。

離婚してから旅行とか遠出とか全然してない。

「内規違反じゃないんですか?」

「経費使って行ったら違反だけど、自費ならただの有給扱いだから別に内規関係ねぇな」

「有給使うんですか?」

「溜まりまくってるからな。捜査を盾に有給取ってやんだよ」





























































「じゃあ……














……いく」



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