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【黒子のバスケ】短編集

第14章 Pledge【青峰大輝】


挙式が終わった翌日、新婚旅行は年末のお休みに被せて行かれるように調整しようと話していると彼の電話が鳴った。

「もしもし。昨日はありがとう。つばきも……」

最初は普通に出た彼の声が止まって、あたしを少し見てから彼は部屋を出て廊下で電話をしているようだった。

あたしに聞かれたくない事なのかもしれないけどいい気はしない。
盗み聞きをしたい気持ちをぐっとこらえて、昨日式に来てくれた友人たちへのお礼のメッセージを1件ずつ送りながら、送ってもらった写真を見て昨日の夢のようなあっという間の時間を振り返った。

もちろん彼の幼馴染との会話は少しもいいものではなかったけれど、今後あたし個人が関わることは無いし、彼女の存在を気にする必要もない。

友人たちと久しぶりにたくさん話せた楽しさや、祝福をしてくれた嬉しさが、昨日の不快な出来事をかき消してくれた。












「つばき、これから実家に行くから一緒に来てほしい 」



電話を終えてリビングに戻った航大の顔からは、さっき旅行の話をしてた時の笑顔はなくて、落ち着きなく目を泳がせて、おでこには汗がにじんでいた。


「何かあった?」

「とりあえず、実家で話そう」


あたしの質問にまともな答えを返さず、玄関に向かう彼の背中を追って、あたしも車に乗り込んだ。









まさか、これが桂田として過ごす最後の日になるとはこの時少しも予想しなかった。







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