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【黒子のバスケ】短編集

第14章 Pledge【青峰大輝】


入籍して5か月

ついに彼との結婚式。

両家の親族と親しい友人が集まって、ガーデンレストランを貸し切っての内輪のパーティー

結婚式はお互い同性のゲストを呼ぶことが一般だとプランナーは言っていたけれど、彼には幼馴染がいて、異性だけど彼女だけは呼びたいと言われていたのでもちろん構わないと伝えていた。

食事がひと段落してから、解放されたガーデンで自由に歓談していると友人たちと話し終えた私のところに彼女が来てくれた。

「初めまして。若林里奈です。航大がお世話になってます」

「初めまして。大河内つばきです。今日はお越しいただきありがとうございます。楽しんでいただけると幸いです」

「今までも航大の彼女って何人か見てましたけど、大河内さんってちょっとタイプがちがうんでびっくりしました」

結婚式で他の女性の話をされるとは思ってなくて、面食らって何も言えずに苦笑いをしてしまったけど、彼女の私を値踏みするような視線は最初から感じていなかった訳じゃ無い。


「大河内さんってお医者さんって聞いたんですけど、専門は何科なんですか?」

「私は法医学医で…臨床はしていないんです」

「えぇっっ‼‼そうなんですか⁉」

彼の幼馴染から仕事の事を聞かれるなんて思ってもいなかったけれど、別に聞かれて困る事でもなかったからあたしは正直に自分の仕事を答えると、大げさなほど大きな声と表情で驚かれてしまった。


「なんていうか……暗そうな人だと思ったけど…そんなお仕事してるんですね……よく解剖なんてできますね。ちょっと引いちゃった。」



こんなことを言われるなら、プロフィール紹介をすればよかった。

航大は自分のお友達と談笑しててこっちに来る気配はない。
何とか会話を切り上げたくて、あたしたちの会話に何となく気づいてるのか目線を送ってくれた友人に手を振って会話を切り上げる合図にさせてもらった。


「すみません。ほかのゲストもいるので仕事の事はこの辺で…何か飲まれますか?」

「自分で頼みます。死体平気で触ってる人って…なんかちょっと…」

軽蔑するような見下すような視線を私に向けて、彼女はバトラーをスルーしてレストラン内へ戻っていった。


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