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【黒子のバスケ】短編集

第14章 Pledge【青峰大輝】


「おい!青峰!!緊急事態だ」

「んだよ。別に今なんも通報入ってねぇだろ」

「ちがうんだよ‼」

被害者の解剖結果を取りに行った同期の木村が戻って、ずかずかと俺の席に近づいてきたと思ったら検案書の封筒を握りしめたままデスクに両手をついて汗かきまくってる。

「なんか証拠出たのか?」

「違う」

「じゃなんだよ。さっさと言えよ」

「いいか。驚くなよ?」

「お前のウザさに驚いてるからさっさと言え」

















「大河内先生が……大河内先生じゃなくなってた……」

はぁ?
別に全然緊急事態じゃねぇ。

解剖医が変わったって別にきっちり仕事してくれりゃそれでいい。

全然何の問題もねぇだろ。


「そういうこともあんだろ。前いたうんちくじじいだって転勤でいなくなっんだから大河内だけずっと変わらねぇって訳じゃねぇだろ」

「ちがう!ちがうんだよ!!!!ちがーーーーーう‼全っ然違う‼」

「うっせぇな。情緒不安定か」

「苗字がだよ‼苗字が変わってたんだよ!!!…桂田…桂田になっちまったんだよーーーーー」


なんだよ。そういう事かよ。
じゃあ別に何の問題も……って……


何泣いてんだよコイツ……

気持悪りぃな




「俺の癒しだった……俺の大河内先生が……」

「はぁ?」

「俺がいつも積極的に検案書取りに行ってたのは‼この殺伐とした世の中にあるオアシス、大河内つばき先生に癒されに行くためだったんだよぉぉぉぉ‼……あの大河内先生が……ほかの男のものになってしまうなんて……」



バカかコイツ。
法医学教室に癒しなんかねぇよ。

けど、通りでいつも戻るまでに時間かかるわけだよな。
あっちで油売ってたんじゃねーかよ、このクソが。


「テメェ既婚者だろ。何考えてんだ。クソみてぇなこと言ってねぇでさっさと被害者周辺調べなおすぞ」

「俺に寄り添えよぉ‼‼バディだろ?バディのメンタルはお前のメンタルだろ⁉」

「テメェはバディじゃなくてバカだ。お前のメンタルなんかどうでもいいわ。さっさとしねぇなら置いてく」



法医学教室に行くのは木村がメインだったから、俺はほぼ行ってねぇ。
前のじじいより穏やかに話す、賢そうな女医だったことだけは覚えてるけど、それ以外は特に印象に残ってなかった。
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