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【黒子のバスケ】短編集

第1章 EMERGENCY 【青峰大輝】


side つばき

室長とタクシーに乗って大きなお家の前に止まったと思ったら迷わずにチャイムを鳴らすからこんな時間に大丈夫なのかと思って室長の後ろに隠れてたら見たことのある顔が玄関を開けた。

「俺、黄瀬涼太ッス」

知ってる。むしろ知らない人の方が少ない。有名なモデルだもん

「…黒須つばきです。室長の部下デス」

「違うだろ?今は職場じゃねぇんだから室長じゃなくて“大輝”。そんで部下じゃなくて彼女だ」


そんなこと言われたら一気に顔が熱くなって真っ赤になっちゃう

フリーズするあたしの背中に手を添えてもらってリビングに案内してもらうと5人の男性と5人の女性

「大ちゃんおそーい」
あ‼室長の彼女だ!って一瞬思ったけど違うんだよね。

「うっせーよ。テツんとこ行ってろ」
なんかいつもよりちょっとだけ子供みたい


「青峰君、さつきへの暴言は許しません」
もしかしてこの年齢不詳の人が旦那様なの?

「テツ君♡」

「青峰、今日お前のとこの刑事がうちの病院の皮膚科に来たのだよ」
緑の髪のメガネの人で室長よりも背が高い


「あー。つばきが分析して割り出した薬使ってる患者探してんだよ」
頭ポンポンってしてなんか褒められてるみたい

「青峰、お前の選んだ女性にこれほど知性を感じるのは始めてだ」
フッと笑って横の女性の空になったワイングラスをさりげなく受け取る有名な経営者

「俺は頭のいい女が好きなんだよ」
そんなの初耳ですけど…あたし頭いいかな?だったらすっごく嬉しい

「峰ちんチョコ~。いらなければいつでも俺が食べて上げるけどー」
この人…でっか‼‼ってゆーかスミレのショコラティエさんだ‼

「つばきが食いたがってるからこいつにやるんだよ。お前はいつでも作れんだろ」
食べに行くって…こういうことだったんだ

てゆーかあたし結局用意できなかった‼

「…チョコ明日用意します…」

申し訳なくて小さく言うと、紫原さんのチョコを食べてるあたしを突然近くのカーテンに包んで軽く触れるだけのキスをした。


「チョコはこれでいい」



「今年はチョコよりお前が手に入ったから満足だ」

「しつちょ…」

「大輝だっつーの」


恥ずかしいのに嬉しくて堪らない。

きっかけはいいものじゃなかったけど結果は最高だった。


そんなバレンタイン
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