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【黒子のバスケ】短編集

第13章 Re:Start【緑間真太郎】


「麻美!!!こっち!!」

「うっちーー‼久しぶりーーー‼」

「体調どう⁉」

「もう全然元気!」

会社のロビーで久しぶりの再会をするあたしたちの目には自然と涙が浮かんでいて、それを不思議そうに見ているのが我が第2子。

早産で入院が長引いたこともあって、やっと今日退院後1回目の検診を終えて、ここに来れた。

審査課係長でもちろんあたしよりはずっとずっと優秀だけど、普通の会社員だと思ってた大河内係長

頭良い人だなーってよく思ってたし、来客中の取引先の人が倒れたときも異様に冷静で迅速だったから、今思えば片鱗はあったのかもしれないけど、あの時係長は「昔プールの監視員で講習を受けたから」なんて言ってたからすっかり信じてた。

まさか本物のお医者さんだったなんて知らなかった。

周産期センターの戸田先生によると、同期では誰もかなわないくらい手先が器用だったって。



「大河内係長いつまで?」

「あと1か月。本人は今月希望だったみたいだけど、とにかく業務の引継ぎがね…ほら、次のが、あのポン太だからさ」

ポン太
本名、本田 太一

びっくりするほどのポンコツでポン太とか呼ばれてるけど、根っからの善人でとにかく気遣いだけはできる人。
係長の仕事は一時課長代理が引き受けるけど、人数補填に来たポン太には大河内係長がこなしてた通常業務をやってもらうことになってるらしく、復帰後は私もポン太と働かせてもらうことになる。


「じゃあ、係長に挨拶するついでに、ポン太にも挨拶しなきゃ。復帰したらお願いしますって」

「それがポン太さ、今コロナで休み」

「え⁉」

「なんか、来週麻美来るよって言ったらさ、僕ちょっと鼻水出てるんで病院行ってきますとか言って行ったらまさかの陽性。課内消毒だなんだで大騒ぎ」


さすが……
でも、そういう細かい気遣いができるところがいいところなんだよね。

今回はしょうがないから諦めて、またの機会に挨拶はさせてもらう。


「久しぶりだな…」

「でしょ。」


2歳差で子供を検討してるって話したとき、それなら育休を継続していい。万が一思う結果が出なくて復帰を希望するようなら連絡をと言って、社内制度を詳しく説明してくれたのは係長だった。

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