第4章 涼太と引き離された日々
「ん?優姫・・・。お帰り・・・。」
「違うっすよ。俺は優姫じゃないっすよ。(あっ。緊急事態だからなのか声が出るようになった。)」
「あれ?何で涼太が此処に居るの?」
「のん、この部屋から出て家に帰るっすよ。」
「俺は優姫が居てくれれば良いの。優姫は俺に気持ち良くなる薬をたくさん打ってくれるの。そのあとエッチなことをするととっても気持ちイイの。」
「のん、腕を見せて。」
俺はそう言ってのんの腕を見ると両肘の裏側に真新しい注射婚がたくさんあった。
「のん、何で麻薬になんて手を出したんっすか?」
「俺が自分・・・で使ったわけじゃない・・・よ。」
「とにかく、此処に居たらのんの心も体もボロボロになる。」
俺はテーブルの上に置かれていた鍵で、首輪に繋がれていた鎖を外してから首輪も外した。
でも、連れ出し前に運悪くこの部屋の主が帰ってきてしまった。
「黄瀬君、人の部屋に勝手に上り込むなんて、どう言う教育を受けているの?」
「優姫、何で君がのんに酷い仕打ちをするんっすか?」
「酷い仕打ちなんてしてないよ。僕は架音に選んでもらえるようにしただけだよ。別れてもなお黄瀬君のことが好きで居て、可哀想な架音の心を解放させてあげたんだ。」