第5章 サヨウナラ・・・愛しき人よ。
俺がベンチへ座ると海常の制服を着た女の子がやってきた。
「あれ?冬美ちゃんが何でこんなところに居るんっすか?」
「リョーちゃんのことを付けて来てたの。」
「俺のことを付けてきたって何のために?」
「リョーちゃんが私のことを裏切るのがいけないんだからね。」
そう言うと冬美と呼ばれていた女の子は俺が見ているのも構わずに涼太のお腹にナイフを刺した。
「冬美ちゃん・・・何で・・・。」
「ねえ。そこの君、そのナイフを俺に貸して・・・。」
「えっ。」
「早く、君の罪は俺が引き継ぐから・・・。」
「う、うん。はい。これ。」
俺にナイフを渡すと、冬美って子は走って何処かへ行ってしまった。
「のん、ナイフなんて受け取ってどうするつもりなんっすか・・・?」
「これを使う理由なんてこれしかないでしょう。」
俺は涼太が怪我をして巻いてくれたハンカチを取ってからナイフを持ち、涼太のお腹を刺した。
「のん・・・。」
「安心して・・・涼太を一人にはさせないから・・・。」
そう言って俺は涼太を押し倒して、涼太が息を引き取るまで何度も何度も同じところを刺した。
「涼太・・・こんな方法を取ってごめんね。」
俺はそう言って動かなくなった涼太の口にキスをして、自分の首を切った。
これでやっと涼太と二人きりになれる。
天国へ行けるかは分からないけどもし行けるのなら天国で涼太と幸せに暮らしたいな。
おしまい