第4章 涼太と引き離された日々
「ちょっと待ってください。盗撮していた人に連れ去られたかもしれないし、別の人に連れ去れたかもしれないと黄瀬さんは仰るんですか?」
「・・・<しー。あくまでもその可能性があると言うだけの話なんだから大声を出さないで。>」
「あっ。すみません。架音のこのになるとつい・・・。それより架音のピアスと黄瀬さんがしてるピアスって同じものなんですね。宝石の色がお互いの瞳の色をしてるんですね。私、架音に避けられている理由がわかった気がします。」
「・・・<ちょっと待って>」
「否定しなくても良いんですよ。私、同性愛に偏見を持っていませんから。」
「・・・<俺とのんは別れたんっすよ。俺から身を引いたって言うんっすかね。のんに婚約者が居るのを知ってね。>」
「ちょっと待ってください。それって私のために別れたってことですか?お互いが好きで居るのに何で分かれるんですか?そんなの間違ってますよ。」
「・・・<好きでも別れなくちゃいけないこともあるんだよ。なんて言えば聞こえは良いけど俺、たくさんの女の子と付き合ってきて付き合った女の子を泣かせてばかりの俺が言っても説得力はないかもしれないけど、俺、本気で好きになった相手と幸せになって欲しいって女の子にはそう思うんだよね。だから、優姫ちゃんにはのんと付き合ってやがて結婚して子供を産んで幸せに暮らしてほしいって俺は思ってるから俺はのんと別れたんだ。のんのことを嫌いになったって言ってね。」