第4章 涼太と引き離された日々
「あっ。 架音 のお見舞いに来てくれた人ですか?って初めまして。私は立花優姫と言います。」
「・・・<君がのんの婚約者の優姫ちゃんか。こんなにかわいい子が婚約者だなんて羨ましいな。って俺は黄瀬涼太っすよろしく。>」
「黄瀬さんって耳の聞こえない方なんですか?」
「・・・<違うよ。ちょっとショッキングな場面を見たせいで声を封じたんだろうって俺の担当の先生が言ってた。>」
「そうだったんですね。知りもしないのに勝手に想像して失礼なことをお聞きして済みませんでした。」
「・・・<良いよ。俺は気にしてないから優姫ちゃんも気にしないで欲しいっす。>」
「わかりました。それより、なんか嫌な予感がして架音には来るなって言われてたんですけど病室を訪ねてみたら架音が居ないんです。黄瀬さんは架音が何処に居るか心当たりはありませんか?」
「・・・<心当たりはないな。ただ、俺、駐車場にこのピアスが落ちてたのを見つけたんだ。>」
「それってどう言う意味なんですか?」
「・・・<のんは俺と一緒に話してる時に廊下でカメラのシャッター音が聞こえて犯人を追いかけて行ったんっすよ。多分、俺としている会話を聞かれていたのと写真を悪用され俺が困ると思ったんだと思うんっすけどね。それでいつまでたってものんが戻ってこないから探しに行こうかなって思ったら駐車場が何故か頭の中に浮かんだから駐車場へ行ってのんを探してたらピアスを見つけたっす。地面に血痕はなかったから事故の可能性は低いとは思うんだけど事件に巻き込まれて連れ去られた可能性の方が俺は高いと思うんっすよ。>」