第4章 涼太と引き離された日々
そう言うと優姫は俺の病室から泣いて出ていった。
「・・・(女を泣かすなんて男として最低だな。優姫の奴は俺と同じだった。好きな奴と一緒に居たいってな。でも、俺がこの世で心の底から愛しているのは【涼太】ただ一人だから。優姫の気持ちには応えてやれないんだ・・・。)
俺は車椅子からベッドに移って横になった。
そして、暫くして・・・。
トントン
「どうぞ。」
俺がそう言うと病室の中に入って来たのは涼太だった。
「涼太、病室が面会謝絶になってるのに出歩いても良いの?」
「・・・<良いんだ。あれは事務所が俺の意見も聞かずに勝手にやってることっすから。」
「そ、そう・・・。」
「・・・<のん、元気がないね。俺が来る前に何かあった?」
「優姫がさっきまで俺の病室にお見舞いに来てたんだ。」
「・・・<へぇ。それで何を話したの?」
「俺、優姫に他に好きな人が居るから付き合えないって言ったんだ。」
「うん。それで優姫ちゃんにはなんて言われたの?」
「嫌。私は架音のことが好きなんだもん。他の人を好きになるなんてあり得ないよ架音が傍に居てくれなくちゃ嫌だって言われた。このままじゃきっと優姫も俺と同じ道を辿る・・・。」
「・・・<それならそのまま優姫ちゃんと付き合ってあげたら良かったのに。俺のことをいつまでも好きで居たってのんには良いことなんてないよ。>」
「優姫が俺を必要としているように俺には涼太しかいないの。涼太が傍に居てくれなくちゃ嫌なの。」
「・・・<俺は何と言われようとものんとはやり直す気はないっすよ。)」
「だったら、何で俺の前に現れるの?ホントに嫌いになったのなら俺の前に現れて優しくしないでよ。俺、バカだから友達だって言われても優しくされたらやり直せるのかもって期待しちゃう。中途半端に突き放さないでよ。突き放すなら俺が諦められるように徹底的に突き放してよ!」