第3章 歪み始めた心
「もし、兄ちゃんが言ったことが事実だとしてもその考えに俺の考えがが含まれてなければ涼太の自己満足にしかならないよ。別れを切り出すにしたって何かしらのアクションって言うか相談があったって良いじゃん。とにかく、俺には関係ないことだよ。」
トントン
「どうぞ。」
俺がそう言うと病室の中に入って来たのは笠松先輩だった。
「あの。ちょっと架音と二人きりで話したいことがあるので少しの間席を外してもらっても良いですか?」
「あぁ。笠松なら心配する必要もないし、拒否する理由もないから暫く席を外しておく。」
「ありがとうございます。」
「どういたしまして。それじゃあ。俺は近くの談話室に居るから話終わったら教えてくれ。」
そう言うと兄ちゃんは俺の病室から出て行った。
「単刀直入に聞くがお前は何で黄瀬が目の前に居るのに屋上から飛び降りた?」
「隠してても笠松先輩なら真実に辿り着くと思うので話しておきます。」
「あぁ。」
「俺、笠松先輩に部活辞めるかもって話をしたときがあったじゃないですか。覚えてますか?」
「あぁ。覚えてるぞ。」
「あの時、涼太と別れたばかりだったんですよね。」
「まさか、お前が学校を休んでたのは体調が優れなかったからじゃなくて本当の黄瀬と会いたくなかったからなのか?」